3月10日に、はこだて未来大学で開催された日本デジタルゲーム学会2013年大会で発表した、「『形式』から『文脈』へ
――イェスパー・ユールのゲーム学再考」のスライドをアップしました。Jesper
Juulさんが、「イェスパー・ユール」と発音されたいと仰っていると伺ったため、タイトルを変更しています。
http://www.slideshare.net/nobushigehichibe/140310-digrajapanpresentation
コンピューターゲーム制作の研究を継続する傍ら、ゲームプレイヤーの調査研究を開始しています。本稿では、ゲームの内部構造(形式)の研究者であると思われているユールさんが、実は、彼が博士論文『ハーフ・リアル』(2005年)で提出した枠組を用いて、ゲームを取り巻く文脈についても研究しているし、その枠組はゲームプレイヤー研究にも応用可能ではないか、という仮説を検証しています。考察の結果は、部分的に利用可能だけれど限界がある、というものになりました。
今後は、コンサルヴォさんやテイラーさんなどの研究に見られるように、すでに一定の蓄積のあるゲームプレイヤー研究の再検討(review)を、学会大会に参加させて頂きながら継続的に行いつつ、日本のゲームプレイヤー文化の過去・現在・未来を説明しうる枠組と研究成果を提出することを目指していきたいと思います。
なお、大会前日の羽田・函館空港、飲み屋、大会・懇親会会場、五稜郭、帰りの羽田空港駅などの各地で、ゲーム研究・制作者の方々との濃密なコミュニケーションを楽しみました。また大会では、ゲームの教育・社会利用や教育評価、人工知能、経済、ゲームデザイン、ゲームプレイヤーなどを主題にした多様な研究を伺い、対話することができました。ゲームを研究・開発する方々との出会い・再会・交流は、いつもいつも、本当に楽しいものです! このような機会を作ってくださった、はこだて未来大学の松原先生やその他の先生方、学生の皆さん、三宅さんをはじめとする大会委員会の皆様、学会の先生方に心から感謝いたします。私個人も、微力ながら、研究・教育やさまざまな活動を通して、日本及び世界のゲーム研究の拡大と発展に貢献していきたいと考えています。
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