2020年6月27日土曜日

『デジタルゲーム研究入門』研究会と、本作りで参考にした著作

先日、日本デジタルゲーム学会と、デジタル・エンターティメント研究会の皆様に、新刊『デジタルゲーム研究入門』に関するオンライン研究会をそれぞれ開催して頂きました(6月20日、23日)。いずれの研究会でも、参加者の皆様と本書やゲーム研究の現状などについてフランクにお話しでき、大変楽しかったです。有難うございました!

日本デジタルゲーム学会の研究会には、70人ほどの方が参加されました。また、藤本徹先生の名司会のもと、学会理事の先生方なども途中でパネラーとして参加され、ゲーム研究の進め方やそのためのリソース、デジタルゲームと図書館などのテーマについて、個人的にも大変貴重なお話を伺うことができました。
(チャットでの議論も盛り上がっていました!) 

また、デジタル・エンターティメント研究会では、榎本統太さんや中川大地さんたちと、ゲーム研究や大学業界のあれこれについて、3時間以上お話ししてしまいました。楽しかった(笑)。ゲーム研究界隈の方々は、本当に優しくて、親切で、献身的な(つまり、知的な)方々が多くて、いつもとても素敵だな、幸せだな、と思います。
 
なお、日本デジタルゲーム学会での研究会の様子は、後日、YouTubeで配信予定とのことです。

http://digrajapan.org/?p=7740

さて、デジタル・エンターティメント研究会の際、「本作りでどの本を参考にしましたか?」というご質問を頂きました。私から、「色々ありますが、一番は『メディアの卒論』です」とご回答したところ、質問者の方から、自分は『メディアの卒論』の編著者である、法政大学大学院社会学研究科の藤田真文先生のゼミ生で、藤田先生も喜ぶと思います、と言われて、少しびっくりしました。
https://www.minervashobo.co.jp/book/b227355.html
 
「論文の書き方」本に見せかけて、実際には、単なる論文集という本が多い中、『メディアの卒論』には、メディア研究の舞台裏がしっかり書かれています。とりわけ、第1部の「卒論を書くためのプロセス」と、第2部の「卒論のテーマ別アプローチ」の難波功士先生と金相美先生、小泉恭子先生の章は必読です。卒業論文の具体的事例を出して、学生さんたちがどのように対象にアプローチしたか、教員としてどう指導したかが書かれていて、非常に参考になります。
 
3・4年生の拙ゼミでは、この本を教科書の一つとして使っていますが、小泉先生の音楽の卒論に関する章を読んで、研究テーマを「刀剣乱舞」の2.5次元舞台から、彼女が好きなポルノグラフィティのファンに変えた学生もいました。私は音楽研究にはそれほど詳しくないのですが、本書には、音楽研究の指導法も詳しく説明されているので、私も大変助かっています。

その他にお勧めの本や、重要文献なのにブックガイドに入れられなかった本、校正のタイミングで引用もできなかった文献(特に「ゲーム研究の手引きⅡ」)があります。機会がありましたら、ご紹介できましたらと思います。

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