2014年11月29日土曜日

「ゲーム研究」に対する研究助成事業のリスト(暫定)

ゲーム研究関連リストの第2弾。第1弾はこちら。

(※)日本デジタルゲーム学会サイトのページに本リストを転載しています。
http://digrajapan.org/?page_id=1751

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2014年11月29日公開
2014年11月29日追記 山根信二さん(岡山理科大学)に情報をご提供頂きました。有り難うございます!
2014年12月20日追記 藤本徹さん(東京大学) に情報をご提供頂きました。有り難うございます!
2021年10月16日更新

団体名 名称 その他
日本学術振興会 科学研究費助成事業 細目に「エンタテインメント・ゲーム情報学」。「経営学」「教育社会学」「メディア情報学」「人文社会情報学」等でも、ゲーム研究が採択
科学技術振興機構 CREST・さきがけ 「オンラインゲームの制作支援と評価」が採択
科学技術融合振興財団 研究助成、補助金助成 コーエー創業者が設立。シミュレーション&ゲーミング
中山隼雄科学技術文化財団 助成研究A・B、調査研究 元セガ経営者が設立。ゲームと遊び
電気通信普及財団 — ゲーム産業研究に助成
立石科学技術振興財団 — エレクトロニクス、情報工学
大川情報通信基金 —
パナソニック教育財団 —
カシオ科学振興財団 —
トヨタ財団 —
助成財団センター — 助成情報提供サイト
IGDAスカラシップ — CEDEC、GDC等への学生の参加を支援。関連動画
アメリカ国立科学財団(NSF, 米) — 基礎研究
国防高等研究計画局(DARPA, 米) — 国防に関する基礎研究
マッカーサー財団(米) — 学習分野中心。関連記事
ロバート・ウッド・ジョンソン財団(米) — 医療
第7次フレームワークプログラム(EU) — シリアスゲーム分野。「マリー・キュリー・アクション」で、若手ゲーム研究者に助成
Foundation Center —

2014年11月16日日曜日

モバイルゲーム産業の「北欧モデル」―フィンランドとスウェーデンを中心に―

Facebookの方でも書きましたが、北欧のモバイルゲーム産業の成長要因の分析を書きました。北欧のゲーム産業の動向というテーマに対する最初の拙レポートです。

モバイルゲーム産業の「北欧モデル」―フィンランドとスウェーデンを中心に―
http://www.fmmc.or.jp/report/reportview.html?id=1603&SRC=REPORT

世界の様々な方が、北欧のゲーム産業の急激な成長の要因を説明しています。しかし、要因が結局どれくらいあるか、また各要因の関係がどうであるか、を整理した研究や記事は見あたりませんでした。

また、
・モバイルゲームの世界全体における売上高
・フィンランド及びスウェーデンにおける売上高
・日本と海外の事業者の売上高や従業員数
等のデータをまとめた研究も見あたりませんでした。

以上の点を(不十分にですが)まとめられたので、(自分や他の方の)調査や研究に多少とも参考になるのでは、と思います。もし宜しければ、ご笑覧ください。

なお、もし読まれる場合には、序文と結論、図表をざっと眺めた後、本文だけ読まれるとすぐに読了できます。長くて多い注は、関心に応じてお読み頂き、さらに関心がある場合には記載しているURL先の記事も読むと、北欧のモバイルゲーム産業の理解が深まると思います。

2014年6月1日日曜日

日本でゲーム研究を専攻できる大学院・大学リスト(暫定)

現在は、下記のページでリストを更新しています。
https://chimarisan.wordpress.com/university_list/

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日本でゲーム研究を専攻できる大学院・大学リスト(暫定)
(2014.05.05) 公開
(2014.06.01) 大学院リスト作成
(2014.07.19) 研究科・専攻、学部・学科サイトへのリンク追記
(2021.10.31) 更新
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ポピュラー音楽研究を専攻できる大学院・大学リスト(暫定版)を参考にさせて頂きながら、日本でゲーム研究を専攻できる大学院・大学のリストを作成しました。
教育・研究内容、取得可能学位等については、各機関や担当教員に直接ご確認ください。

本リストは、ゲーム研究関連リストの第1弾です。

本リストの英語版(English Version)については、小林が作成したリストをご参照ください。

また、ゲーム研究を専攻できる海外の大学のリストについては、DiGRA学生部会が作成し現在はRachel Kowert氏が管理しているリストをご参照ください。

内容の追記、誤り、削除等につきましては、小林(七邊)(natsunokumo2008あっとgmail.com あっとは@に変換)までご連絡ください。

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大学院 研究科・専攻他 専任教員
はこだて未来大学 システム情報科学研究科 角薫(工学)
東北大学 経済学研究科 一小路武安(経営学)
東北学院大学 人間情報学研究科 小林信重(社会学)
北陸先端科学技術大学院大学 情報科学研究科人工知能領域 飯田弘之、池田心(工学)
文教大学 情報学研究科 梶並知記(工学)
武蔵野学院大学 国際コミュニケーション研究科 坂井裕紀(教育工学)
千葉商科大学 商学研究科 出口弘(工学、経済学)
お茶の水女子大学 人間文化創成科学研究科人間発達科学専攻 坂元章(社会心理学)
駒沢大学 グローバル・メディア研究科 山口浩(経済学)
芝浦工業大学 理工学研究科システム理工学専攻 小山友介(経済学)
成城大学 文学研究科コミュニケーション学専攻 渋谷明子(社会心理学)
中央大学 戦略経営研究科 生稲史彦(経営学)
デジタルハリウッド大学 デジタルコンテンツ科 新清士(経営学)
電気通信大学 情報理工学研究科 伊藤毅志(工学)
東京大学 工学系研究科 鳥海不二夫(工学)
東京大学 人文社会系研究科 吉田寛(美学)
東京大学 情報理工学研究科 松原仁(工学)
東京大学 先端科学技術研究センター 稲見昌彦(工学)
東京大学 大学院情報学環・学際情報学府 藤本徹(教育工学)
東京工科大学 大学院メディアサイエンス専攻 近藤邦雄、三上浩司、渡辺大地(工学)
東京工業大学 リベラルアーツ研究教育院 山本貴光(哲学)
東京工芸大学 芸術学研究科メディアアート専攻 遠藤雅伸(工学)、今給黎隆(科学)
日本大学 生産工学研究科数理情報工学専攻 古市昌一(工学)
明治大学 国際日本学研究科 田中絵麻(政治学)
早稲田大学 文学研究科表象・メディア論コース 石岡良治(表象文化論)
神奈川工科大学 大学院情報工学専攻 佐藤尚、小坂崇之(工学)
名古屋造形大学 造形研究科 Pelletier, Jean-Marc(メディア表現)
京都大学 文学研究科メディア文化学専修 松永伸司(美学)
立命館大学 映像研究科 細井浩一(経営学)、中村彰憲(経済学)、渡辺修司(工学)、井上明人(政策・メディア)
立命館大学 政策科学研究科 稲葉光行(政策科学)
立命館大学 情報理工学研究科 Thawonmas, Ruck(工学)
立命館大学 先端総合学術研究科 Roth, Martin E.(美学)
立命館大学 法学研究科 宮脇正晴(法学)
関西学院大学 理工学研究科 片寄晴弘(工学)
関西学院大学 教務機構 福山佑樹(教育工学)
徳島大学 高等教育研究センター 福井昌則(教育工学)
九州大学 大学院芸術工学研究院 松隈浩之(工学)

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大学 学部・学科他 専任教員
はこだて未来大学 システム情報科学部情報アーキテクチャ学科 角薫(工学)
東北学院大学 教養学部人間科学科 小林信重(社会学)
東北学院大学 教養学部言語文化学科 Andrews, Dale K.(民俗学)
東北芸術工科大学 芸術学部文芸学科 玉井建也(歴史学)
筑波学院大学 経営情報学部ビジネスデザイン学科 小孫康平(教育工学)
白鴎大学 教育学部 玉宮義之(社会心理学)
文教大学 情報学部情報システム学科 梶並知記(工学)
武蔵野学院大学 国際コミュニケーション学部 坂井裕紀(教育工学)
千葉商科大学 商経学部 出口弘(工学、経済学)
青山学院大学 地球社会共生学部 樺島榮一郎(経済学)
お茶の水女子大学 文教育学部人間社会科学科 坂元章(社会心理学)
駒沢大学 グローバルメディアスタディーズ学部 山口浩(経済学)
芝浦工業大学 システム理工学部環境システム学科 小山友介(経済学)
成城大学 文芸学部マスコミュニケーション学科 渋谷明子(社会心理学)
専修大学 ネットワーク情報学部 藤原正仁(経営学)
宝塚大学 東京メディア・コンテンツ学部メディア・コンテンツ学科ゲーム領域 井上幸喜、川村順一、吉岡章夫(工学)
帝京大学 理工学部情報電子工学科 小川充洋(工学)
電気通信大学 情報理工学部情報・通信工学科 伊藤毅志(工学)
東京大学 工学部 鳥海不二夫(工学)
東京大学 文学部 吉田寛(美学)
東京工科大学 メディア学部メディア学科 近藤邦雄、三上浩司、渡辺大地、伊藤彰教、安原広和(工学)
東京工業大学 リベラルアーツ研究教育院 山本貴光(哲学)
東京工芸大学 芸術学部ゲーム学科 遠藤雅伸(工学)、今給黎隆(科学)、原寛徳(工学)
東京国際工科専門職大学 工科学部デジタルエンタテインメント学科 山根信二(ゲームデザイン)、水上恵太(経済学)、小野憲史(社会学)
日本大学 生産工学部数理情報工学科 古市昌一(工学)
明治大学 国際日本学部 田中絵麻(政治学)
早稲田大学 文化構想学部表象・メディア論系  石岡良治(表象文化論)
神奈川工科大学 情報学部情報メディア学科 佐藤尚、中村隆之、小坂崇之(工学)
愛知淑徳大学 創造表現学部 松井広志(社会学)
星城大学 経営学部 天野圭二(経営学)
名古屋造形大学 造形学部造形学科メディアデザインコース Pelletier, Jean-Marc(メディア表現)
京都大学 文学部メディア文化学専修 松永伸司(美学)
立命館大学 映像学部 細井浩一(経営学)、中村彰憲(経済学)、渡辺修司(工学)、飯田和敏(美術学)、井上明人(政策・メディア)
立命館大学 政策科学部 稲葉光行(政策科学)
立命館大学 情報理工学部 Thawonmas, Ruck(工学)
立命館大学 法学部 宮脇正晴(法学)
大阪国際工科専門職大学 工科学部デジタルエンタテインメント学科 尾鼻崇(美学)、福田一史(情報学)
関西学院大学 理工学部 片寄晴弘(工学)
関西学院大学 教務機構 福山佑樹(教育工学)
徳島大学 高等教育研究センター 福井昌則(教育工学)
松山大学 経営学部 情報コース 檀裕也(理学)
九州大学 芸術工学部 松隈浩之(工学)

2014年5月31日土曜日

全訳の効果


時間をかけて英文(をはじめとする外国語の文章)を全訳すると、次のものが得られます。

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1)文章の理解度
   翻訳書を読んだり、英文を流し読みするだけより効果的。

2)構文を読み取る力

3)語彙力
   単語を調べ、単語帳等を作って何度もチェックすると良い。

4)ヒアリング力
   2)と3)が向上すると、一緒に向上する。

5)翻訳された原稿

6)自己満足

7)その他
   社会的・経済的成果。
   交流、評価など。
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7)はあまり期待しない方が良いですが、その他の成果は着実に得られます。重要だけれど日本では知られていないゲーム学や文化研究についての情報は、ICTの発達でグローバル化が進んだ社会でも、まだまだかなり多いです。また英語運用能力は、仕事や生活で今後ますます不可欠な能力になっていきます。

ゲームを概念的に理解することに関心がある学生は、英語圏のゲーム学に理解のある先生や他の学生がいる、英語論文・文献を翻訳する講義・演習に参加すると良いです。しかし、英文学や映画研究と違って、日本ではゲーム研究を輪読する機会がまだほとんどないため、自発的努力が求められます。

たとえば、DiGRAのライブラリでは、過去に発表された論文(PDF)を無料で入手できます。数百本の論文がアップされていますので、この中から、定評のあるものを探すと良いです。
http://www.digra.org/digital-library/

さしあたり、翻訳されている『ルールズ・オブ・プレイ(上)(下)』や『ゲームメカニクス』などで紹介されている論文を読むことから始めると良いでしょう。

英文のゲーム学の文献、レポート、論文等を地道に全訳することは、時間がかかるため大変です。しかし、ゲームについての理解と英語力が同時に身につきますので、お勧めです。

2014年5月5日月曜日

『CLANNAD』十周年と、日常世界の表現

2004年4月28日に発売された『CLANNAD』が十周年を迎えました。
http://key.visualarts.gr.jp/clannad_10th/

『CLANNAD』以前のほぼすべてのPCノベルゲームは、「学校」での社会関係(恋愛、友情、対立)を表現する作品でした。一方、 『CLANNAD』の特徴は、既存作品の恋愛要素を踏襲することにより一定のユーザーを確保しつつ、作品全体の3分の1程度を、高校卒業後の、学校外での 社会関係(職業、家族)の表現にあてていることです。恋愛や戦闘、恐怖のような非日常だけではなく、普通の人たちのありふれた日常の世界も、ノベルゲームの重要な主題になりうることを示し得た傑作でした。「CLANNADは人生」という決まり文句は、この作品の本質を良く表現しています。同じ主題は『智代アフ ター』でも継承されています。

職業のような日常の世界を表現した作品に、『ひぐらしのなく頃に』があります。同作品は、殺人事件のような非日常の表現が注目されましたが、本作品の大きな魅力の1つは、シナリオライターの竜騎士07さんの公務員体験によって支えられた、日常世界の表現の厚みであった、と個人的には考えています。彼が、自分の個性を非日常の表現にあると考え、『うみねこ』以降の作品で日常表現を薄くしていったことを、個人的には残念に思っています。

日常と非日常の明確な境界が消失し、遊びや逸脱的趣味のような非日常的なものへの接近が容易になった現代日本社会では、非日常の体験が能動的、嗜癖的(addictive)に求められる一方で、日常と非日常の各々が、1990年代前半まで持ち得た、強い引力、統合力、拘束力を失っているように見えます。こうした時代には、非日常を描く作品が人気を博す一方で、『AURA』『灼熱の小早川さん』『やはり俺の青春ラブコメは間違っている』のように、 「普通である(間違っていない)とはどういうことか?」を描く日常系の作品も、人生の指針や見通しを与えるものとして求められているように感じます。
http://www.amazon.co.jp/dp/4094514821/

参考: 
山田真茂留,2009,『<普通>という希望』青弓社.
山田真茂留,2010,『非日常性の社会学』学文社.

2014年3月15日土曜日

学会発表「『形式』から『文脈』へ ――イェスパー・ユールのゲーム学再考」をアップしました。

3月10日に、はこだて未来大学で開催された日本デジタルゲーム学会2013年大会で発表した、「『形式』から『文脈』へ ――イェスパー・ユールのゲーム学再考」のスライドをアップしました。Jesper Juulさんが、「イェスパー・ユール」と発音されたいと仰っていると伺ったため、タイトルを変更しています。
http://www.slideshare.net/nobushigehichibe/140310-digrajapanpresentation

コンピューターゲーム制作の研究を継続する傍ら、ゲームプレイヤーの調査研究を開始しています。本稿では、ゲームの内部構造(形式)の研究者であると思われているユールさんが、実は、彼が博士論文『ハーフ・リアル』(2005年)で提出した枠組を用いて、ゲームを取り巻く文脈についても研究しているし、その枠組はゲームプレイヤー研究にも応用可能ではないか、という仮説を検証しています。考察の結果は、部分的に利用可能だけれど限界がある、というものになりました。

今後は、コンサルヴォさんやテイラーさんなどの研究に見られるように、すでに一定の蓄積のあるゲームプレイヤー研究の再検討(review)を、学会大会に参加させて頂きながら継続的に行いつつ、日本のゲームプレイヤー文化の過去・現在・未来を説明しうる枠組と研究成果を提出することを目指していきたいと思います。

なお、大会前日の羽田・函館空港、飲み屋、大会・懇親会会場、五稜郭、帰りの羽田空港駅などの各地で、ゲーム研究・制作者の方々との濃密なコミュニケーションを楽しみました。また大会では、ゲームの教育・社会利用や教育評価、人工知能、経済、ゲームデザイン、ゲームプレイヤーなどを主題にした多様な研究を伺い、対話することができました。ゲームを研究・開発する方々との出会い・再会・交流は、いつもいつも、本当に楽しいものです! このような機会を作ってくださった、はこだて未来大学の松原先生やその他の先生方、学生の皆さん、三宅さんをはじめとする大会委員会の皆様、学会の先生方に心から感謝いたします。私個人も、微力ながら、研究・教育やさまざまな活動を通して、日本及び世界のゲーム研究の拡大と発展に貢献していきたいと考えています。